2018年1月25日

全身に転移した末期の癌での手術

約10年前に55歳だった叔父が癌になりました。

独身だった叔父は、多少症状があっても病院を受診しなかったのでしょう。

貧血で倒れて運ばれた病院で、末期状態の癌が発見されました。

もはやどの内臓が原発だったのがわからないくらい、胃、大腸、肝臓、食道、肺、すい臓と広範囲にがんに侵されていることが検査でわかりました。

もはや手術をしても完治できないと医師に言われましたが、食道と胃を繫ぐ部分の癌をとれば少し食事くらいはできるかもしれないという話でした。

叔父の姉である私の母は、食べることが好きだった叔父のために、少しでも食べることができればと手術をお願いしました。

しかし開腹してみると癌は思った以上に進行していて、お腹の中の内臓がすべてカチカチになってしまっているということで、そのまま閉じられることになり、叔父はその後2週間で亡くなりました。

母は無理な手術をさせたことを後悔していたのですが、しかし手術をしたから寿命が縮まったわけではないということは病院からも話がありました。

1口でも何か食べさせてあげたいという希望は叶わなかったけれど、その優しい思いはきっと叔父にも届いていたのではないかと思います。